ここから本編が始まります。キレートレモンの用意はお済みですか?
相手を認める「エクスターナル・ストローク」
ストロークを直訳すると「打つこと」「打撃」「一回の動作」「一撃」「一画」「ひと筆」「発作」「なでる」などの意味があります。
英語で「ストローク・ア・キャット」というと「猫をなでる」と訳されるように、心理学でストロークというと「なでる」を意味します。
少々難しい表現になりますが、心理学で説くところのストロークとは、存在認知の一単位のこと。
それとは別に本書では、わかりやすく、一言一行(いちげんいっこう:一つの言葉と一つの動き。併せて、言動)を、ストロークの定義とします。言動ですから、ストロークする方法は大きく分けて3つ。
- 発言する意味で「言葉を話す」「放つ」「発する」
- 書いて見せる意味で「書きあらわす」「書き送る」
- テニスやゴルフのストローク(打つ)と同じ意味で「動く」
いずれも言葉か行動、あるいはその混合で伝えますから、日本語を話せて、書けて、動ける人なら、誰にでもできる行動論です。
触れるだけのフィジカル・ストローク
効果効能の順に分けると、
- 文字や会話などのランゲージ(Language:言語)ストローク
- 表情や動作などのノンバーバル(Nonverbal:非言語)ストローク
- 身体の触れ合いによるフィジカル(Physical:身体)ストローク
1~3の順に効果効能が高まります。
もっとも強力なのは身体ストローク。スキンシップです。スキンシップは和製英語で、正しい英語ではフィジカル・コンタクトといいます。
フィジカル・コンタクトは、外国人が上手ですよね。初対面であっても旧友のように握手しますし、男性同士で「やあ!久しぶり」と抱き合ったり、女性同士で頬に軽く口づけしたり、男性が女性の手の甲に口づけしたり、国によって様々なフィジカル・コンタクトがあります。
日本でも、選挙の立候補者が、笑顔で手を振るのみならず、だれかれ構わず握手しようとするのは、握手が小さな感動につながることを経験則で知っているからです。さらには、片手での握手より、両手で握手するほうが、効果は大きい。
あなたにしたって、子供の頃に「ゆびきり」で指を絡ませ、約束を交わした覚えがあるはず。これも立派なフィジカル・コンタクト。
また、スポーツで好プレーが出たとき、手をあげてチームメートとハイタッチするシーンも目にしますよね。つまり、手から始めるフィジカル・コンタクトが、もっとも抵抗なく始められる強力なストロークなのです。これをフィジカル(身体)ストロークといいます。
フィジカル(身体)ストローク
こうして体と体で接触しようとする行動を、フィジカル(身体)ストロークといいます。
母親が赤ちゃんに「かわいい」と言い(言語ストローク)、微笑む(非言語ストローク)だけよりも、抱き上げて頬ずりする(身体ストロークの)ほうが、赤ちゃんの受ける好影響が大きいことはお分かりになるでしょう。
人は、自分に近い人間であればあるほど、肌の触れ合いを許します。特に握手は、国家、イデオロギー、人種、宗教、価値観を超えて、世界に通じるフィジカル・コンタクトです。
フィジカル・コンタクトといっても、何も難しいことはありません。手を手を触れ合わすだけ。さあ、どんどん握手するようにしましょう。どんどんフィジカル・ストロークを放ちましょう。
会話と動作は基本的なストローク
表情や身ぶり手ぶりを使った非言語のストロークも、国境の壁を超えます。
どこの国の人であろうと、笑っていれば楽しそうに見えるし、泣いていれば悲しそうに見える。お腹を押えて苦しがっていれば腹痛に見えるし、手招きすれば呼び寄せていることが分ります。
そうしたジェスチャーとは別に、国によっては、中指を突き立てて見せるのは侮辱にあたる(アメリカ)とか、じゃんけんのパーのように手のひらを突き出すのは失礼(ギリシャ)といったボディ・ランゲージがあります。
外国語を理解できずに海外旅行した経験のある人なら分ると思いますが、ジェスチャーやボディ・ランゲージといった言葉を使わない非言語ストロークは、言語の壁を超えます。言葉が通じなくても、なんとかなっちゃうモンなんですよね。
それよりも基本的なストロークが、しゃべるか、書いて伝える、言葉を使ったストロークです。
とくに日本語は、キメ細かな表現を得意とする言語ですので、ジェスチャーやボディランゲージを用いなくとも、微に入り細に入り、言葉で伝えられます。
日本語という共通言語で話せる相手なら、手っ取り早く、誰でも簡単にストロークできるのです。
5つのストローク階層
表現方法で細分化すると、5つの表現に分かれます。
- 文字表現。メモなど。ペンやパソコンで書く。
- 会話表現。対談など。口で語る。
- 表情表現。笑顔など。顔面筋を動かす。
- 動作表現。態度など。全身で表す。
- 接触表現。握手など。相手の身体に接触する。
どれも日常的な言動(ストローク)ですね?なにも、ミュージカルを踊るって話でもないし、一冊の本を書くって話でも、演台に立って講演する話でもない。ありふれた些細なことばかり。やる気さえあれば、誰にでも出来ることです。
これが、表現方法における5つのストローク階層(hierarchy:ヒエラルキー)です。
