人を動かすには日時を指定しよう!デッドライン・エフェクト

人を動かす

人を動かすには日時を指定しよう

散らばったオモチャで、足の踏み場も無い部屋を見た親が、
「すぐに片付けなさい」
と命じたとしましょう。

そして、数時間後に確認してみると、まだ散らばったまま。それを見た親は、
「片付けろと言ったじゃないか!」
と怒る。
ちょ、ちょっと待って。
怒る前に、そうした子供に命じるのでしたら、
「何時までに片付けるか?」
時間を決めてみてください。
そうすると、
「片付けろ!」
という命令が、
「何時までに終わらせる」
という約束に変わります。
命令だと、
「やりたくねー…シブシブ」
と、消極的になりがちですが、
約束だと、
「約束は守る」
という良心に訴えますので、自発的な行動を促せます。
また、約束を破るには理由がありますから、
「言ったじゃん!」
と怒ることなく、
「どうして約束を破った?正当な理由があった?」
と理で諭すことができますから、怒鳴りあいではなく、会話によって結論へ到達することができます。
このように、時間にリミットを設ける方法を、マーケティングでは、時間限定(limited-time:リミテッド・タイム)といいます。
しかし、部屋の片付けのように短時間で済む場合は、時間指定で良いのですが、
「近日中に連絡します」
という具合に、日数がかかりそうな場合は、時間まで具体的になりにくいことがあります。
そういうときは、
「近日中ね。わかった」
と安易に納得して済ませずに、「何月何日までに?」と、

締切日を指定

して下さい。これを、締切日(deadline-date:デッドライン・デイト)限定効果といい、時間限定と合わせて、期間限定効果(deadline-effect:デッドライン・エフェクト)といいます。
よく、迫りくる時間との戦いをテーマにして大ヒットした映画やテレビ番組がありますよね?
「スピード」とか「24」とか。
期間を限定することによって、残り時間を明確に示すことができ、焦らせることができるのです。つまり、
「あと何日。あと××時間」と

あせったときに人は動く

というわけです。たとえば、待ち合せ時間の許容範囲が人それぞれであるように、日時の許容範囲も人によって異なります。
「近日中」と聞いて、
「3日くらい」と思う人もいれば、
「10日以内」と思う人もいます。
双方ともに、
「時間に対する自分の概念は普通」
と思っていますから、日時を曖昧にしておくと、
  • 「すぐにやれって言っただろう」 (←この人が思う「すぐ」は1分以内)
  • 「すぐに、やろうとしていた」 (←この人が思う「すぐ」は1時間以内以内)
と、スレ違ってしまいます。しかし、どちらが正しいとはいえません。

時間の概念は、人それぞれ

ですから。とはいえ、時間の感覚がズレたままでは、双方が納得できる結果に落ち着くハズがありません。
だから、時間を概念で捉えるのではなく、日時を指定して、何月何日何時何分までに何をすればよいか共有しておくのです。
ダイレクトメールやチラシに
「何月何日まで」
とか
「4時~6時タイムセール」
と記されてあるのは、お得な日時を記憶させ、得できる時間帯で焦らせ、期間内に買ってもらう動機づけが目的です。
店舗の場合は、アイドルタイムに来店してもらう役割もあります。
以上のように、相手の行動を待つ場合には、
「何時までに?」
「何月何日までに?」と、
日時を明確にしてみて下さい。
たったそれだけで、今までテコでも動かなかったものが、動き出すこともありますよ。

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