いるだけでいい「存在へのストローク」
その人の存在を認めるとは、すなわち、生きている存命を認めることです。
その人が、生きてあなたの「そばにいてよかったか?」
「出会えてよかったか?」
「縁を持ててよかったか?」
わずか一瞬でも「よかった」と思ったら、その思いをそのまま「あなたがいてくれてよかった」と言葉に出してみましょう。1秒で済みますよね?
恥ずかしがることはありません。その一言が尊いのです。「あなたが生きていてくれて、本当によかった」と話してあげて下さい。紙に書いて渡してあげてください。たったそれだけで、あなたはプラスのストロークを送ることができます。
失われてから後悔しますか?
人は何故か、失われる寸前になって、あるいは失われた後になってから、その存在の大きさを思い知ります。しかし、後悔は先に立たず。失われてから気づいたって、もう遅い。取り返しがつきません。
だから今なんですよ。まだ失われていない今だからこそ、伝えることが出来るのです。このチャンスは永遠じゃない。今だけです。その人が生きて、あなたの隣にいる今だからこそ出来ます。
徳川家康やマッカーサーといった故人の存在を認めるのも結構ですが、故人からはストロークが返ってきません。あなたがプラスのストロークを浴びたかったら、いま生きている人へストロークしましょう。
存命を認めるのに理由なんか要りません。美辞麗句も要りません。ただ思ったままに、
「出会えて良かった」
と伝えてみてください。「同じ円(コミュニティ)の中にいられて良かった」と伝えてみましょう。たったそれだけで、相手の存在を認めることができます。
たとえば、ペットの頭を、
「可愛いね。お前がいるだけで癒(いや)されるよ」
となでるように、存在そのものを認めることが、最も単純な原点ともいえる根源的なプラスのストロークです。
「お前がいるダケでいい」なんて言われりゃ、ペットだって悪い気はしませんや、自分の存在を認めてくれる飼い主に懐くというもの。
犬猫だって懐くのです、いわんや人間をや。
「あなたがいるだけで幸せ」と伴侶の存在を認めてみましょう。
「あなたに出会えて良かった」と知人や友人の存在を認めてみましょう。
「あなたと一緒の会社にいられて良かった」と同僚の、はたまた部下の存在を認めてみましょう。
「あなたの下で働けて良かった」と上司の存在を認めてみましょう。
「お父さん、お母さんの子供で良かった」と、親の存在を認めてみましょう。
「お前は宝物だよ」と子供の存在を認めるのです。主語はYou(あなた)。