ガミガミ怒鳴る相手の身に置き換える

ストロークの法則

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ガミガミ怒鳴る相手の身に置き換える

逆説によって、相手の身に置き換えることも出来ます。

ガミガミ怒鳴る指導者(親や上司や教師)がいたら、誰しも「うるせえ」と思うことでしょう。もっと過激に「こいつは、自分のことが嫌いなのかな?」と思う人もいるはずです。

では、ガミガミ怒鳴る現象を逆説で考えてみましょうか。

もしかしたら、怒鳴っている人は、あなたに苛立っているのではなく、二日酔いだとか、急いでいるといった理由で、自分に苛立っているのかも知れません。要するに、八つ当たりです。別に、あなたが悪いわけじゃない。

もしかしたら、「ガミガミ怒鳴るしか教え方を知らない人」かも知れません。何に対してもガミガミ怒鳴る、そういう性質の人なのかも知れません。

どれもこれも、怒鳴る本人の問題ですから、あなたが矯正できるものではありません。あなたが出来ることは、あなたの受け取め方を変えること。

ひとつ実例を挙げましょう。

ある30歳の男性が独立して、会社を創立したての頃、とても厳しい顧客に巡り会いました。打ち合わせに行くのが厭になるほど厳しかった。仕事の内容にも厳しかったし、予算にも厳しかったし、求める仕事レベルも高かった。

「そんなの、ムリな要求だよ!」と、彼は心の中で、よく毒づいたものです。その顧客から電話があると、「今度はどんな難題だ?」と怯えたこともありました。その顧客から仕事を請けたくなかったくらいです。

あまりの厳しさに音をあげると「な~んだ。お前もその程度のヤツか」と鼻で笑われたりしました。「くっそ~。挫けんぞ」と思って、提示された壁を打開しようと奮起したこと幾多。

そうして年が明け、年始のご挨拶にご自宅へ伺った彼は、奥様から「あなたが噂の…」と言われました。曰く、

「めったに人を褒めないウチの人が、いつも、あなただけは褒めるんです。彼は大きく成長するだろうって」

ブッたまげました!社員でも部下でもない、単なる外注先の彼を、厳しく育てようとしてくれていたなんて!そんなことを口にする顧客じゃありませんから、初めて知りました。

道理で、レベルの高い要求があったり、机を叩いて怒鳴ったり、敢えて厳しいことをおっしゃっていたわけです。あなたも、顧客に机を叩きながら怒鳴られてごらんなさい?本当に身のすくむ思いがしますよ。

つまりは、すべて、獅子の谷おとしだったんです。それを知らずに「厭だなあ」と思っていた彼は、浅はかな自分に情けなくなり、心の中で何度も何度も自分で自分を殴りました。大バカ野郎だ!オレは…。ちくしょう…。

それからというもの、どんなにハイレベルな要求であっても、全力で乗り越えるようにしました。

文句は言わない。音(ね)をあげない。四の五の言う前に、まず動く。「ムリだ。できない」と思ったら、

「待てよ。どうして出来ないんだ?人脈の問題かな?それとも自分の能力の問題かな?金銭の問題かな?」

と逆説するようにしました。

できないということは、できない理由があるはずです。それを見つけるのです。ただ嫌がっているだけでは何の解決にもなりません。

では、どうすれば見つけられるのか?その方法が「逆説の思考」だったのです。できない理由を逆説すると、できることになる。

逆説して「そうか!ここが問題だったんだ」と判ったら、その壁を乗り越えるための方策を考え、その理由を客観的に説明して理解してもらう。

逆に考えることによって、依頼主の立場で考えられるようになるのです。

そうすると、顧客から、「こんな方法もあるだろう?」と、「あっ!」と驚くマーケティング技法を教えてもらったりしました。

顧客は、彼以上にマーケティング数十年のプロです。彼が知らないことを知っているし、経験してきたし、勉強してきたし、実現してきたわけです。

このようにして、全力で仕事をこなすようにしていたところ、知らないところで「信頼」という付加価値がついていたようで、紹介に継ぐ紹介で仕事が入ってくるようになりました。「やつは、できる」「やつに頼めば、何とかしてくれる」と。

「ほう。じゃあ一度お願いしてみようか」となって、名刺交換したことない人からも「一度、来社してほしい」と、電話が入るようになりました。

彼とは私のことです。以上は私が実体験した実話です。

思えば、「あの顧客から仕事を請けたくないなあ。嫌だなあ」と思った時、自分の心の赴くままに断っていたら、その後の好循環は生まれなかったでしょう。

人は、何を考えているか分らないものです。「いやがらせか?」と思えることでも、じつは、暖かい導きだったりすることもあります。

もちろん、本当に嫌がらせだったりすることもありますが、それが立証されない時点では、あなたの単なる思い込みや、先入観であったりすることがあります。

先入観というと、大したことのないように聞こえますが、思い込みによって、自分で自分の未来を決め付けているようなものです。否定の未来に好循環は有り得ません。

もし、「あのやろう」と悪意をもったら、逆説の思考を使って、「悪い人じゃないかも」と考えてみてください。悪意をもったって、な~んにも良いことは無いんですから。

面白くないことを逆に考えることによって、相手の立場で考えられるようになり、あなた以外の視点を得ることができるでしょう。

心頭を滅却すれば火も亦た涼しい心頭滅却逆説法

時は戦国時代。

織田軍の焼き討ちに遭った恵林寺の快川和尚は、「心頭を滅却すれば火も自ら涼し」と、中国は杜荀鶴(とじゅんかく)の詩を転用して辞世の句を読み、座して焼死しました。

「雑念を取り払えば、火さえも涼しくなる」と心を静め、猛火に包まれたのです。とても常人には出来ません。

それを知ってか知らずか、私の友人にも、同じ考え方をする若者がいました。夏の炎天下でも「暑くない」という彼の考え方は、

「夏は暑いのが当たり前。だから、30度くらいじゃ暑くない。40度になったら、夏にしては暑い」

そこまで気温が上昇するまでは、絶対に「暑い」と言わない。なぜなら「暑い」というと、本当に暑く感じて、気だるくなってきて、ヤル気が失せるから。だから、暑いと感じたら、「暑くない」と言う。

実際、私が「暑いな」というと、「いや~、ぜんぜん暑くないよ。これくらいが普通だよ。だって、夏だもん」と笑っていました。

この調子で、冬も「寒くない。だって冬は寒いんだもん、氷点下になったら、冬にしては寒いってカンジ」と笑う。

人間が快適に感じる温度は20~25℃。しかし自然界は、いつもその温度に調節してくれません。自然が調節してくれないのなら、自分で調節するしかありません。

そこで人間は、発汗で暑さを凌ぎますし、寒いときは服を着ます。が、それでも暑いものは暑い。寒いものは寒い。

それだからといって、暑いものは暑いから、「あー、暑い、暑い」といったところで、涼しくなるなら良し。むしろ、かえって暑さを感じるようなら、暑いと言わないほうが良いという考え方。

同じように、つらいときはワザと「全~然へっちゃら」と声に出して言い、面白くないときはワザと「楽しい~」と声に出して言う。そんな天邪鬼な友人でした。

このように、ありがちなストレスを当たり前として捉え、逆に考えてみることで、雑念を取り払い、気丈でいられるのなら、試しにやってみても損はありませんでしょう?

司会者のみのもんたさんは、アメリカの有力経済誌フォーブスに「世界のセレブ100人-番外編」の1人として選ばれたとき、その人気の秘訣をテレビで問われて曰く、

「どんなに忙しくても、忙しいとは言わない」

と笑っていました。

  • 「できない」と思ったら「できる」と逆に考えてみる。
  • 「やりたくないな」と思ったら「やりたい」と何度も念じてみる。
  • 「やらない」と諦めたら「やろう」と挑戦する気になってみる。

そうすることで不思議と意識が逆転することもありますよね?

損得で勘定する損得逆説法

損を損のままにしておくと損。だったら、損を得に替えてしまいましょう。

フォルスの山形浩一さんというセールスのプロがいます。

彼は、会社という組織の営業マンではなく、個人の営業マンとして、クライアント企業の製品を販売しています。

山形さんのように、自分の腕ひとつで営業しているセールスマンのことを、セールスレップといいます。

彼の許へ、営業職に就職した友人が、相談に行きました。

「愛想笑い一つ出来ずに悩んでいます。面白くも何ともないのに、無理やり、作り笑いできません」

お客さんの前へ行っても、仏頂面のまま、ピクリとも笑えないという。そこで付いたニックネームが鉄仮面。

それを聞いた山形さんは、「そりゃいい!」と目を輝かせて、こう言いました。

「名刺の肩書きに、鉄仮面と印刷すればいいじゃありませんか。そして、名刺交換した初対面のお客さんに、

 「私は、作り笑いが苦手なので、日本テレビのテレビ番組「行列の出来る法律相談所」に出演している北村弁護士のように、笑わない男ということで、同僚達から鉄仮面というニックネームを付けられました。

しかし、笑わなくても、悪意があるわけじゃないんです。もちろん、本当に可笑しいときは、ゲラゲラ笑いますので、ご安心ください」

 と、鉄火面の意味を説明するんですよ。そうすれば、ユーモアの利いた挨拶になりますよね。インパクトがある。そうやって、初対面の挨拶を定型化しておけば、初対面の時に悩む必要もなくなる。

 それに、最初に会った時点で、笑わないことを伝えてありますから、それ以降の商談になって、無理して笑う必要もない。

一石二鳥じゃありませんか。いやあ、羨ましいなあ!鉄仮面なんてニックネームを付けられちゃって」

この回答を聞いた彼が、名刺に「鉄仮面」と印刷したかどうかは分りませんが、これぞまさしく、ピンチこそチャンス!マイナスをプラスに換える逆説です。

どんな不利なことがあうとも、マイナスのままでは損です。

だったら、そのマイナス要因を、なんとかしてプラス転換できる解釈を考え、不利な損を得にしてみてはいかがでしょう。

憲法九条のように、解釈次第で、いかようにも変えられるのです。

プラス思考や陽転思考ではありません。

損か?得か?の損得勘定で判断するのです。幕末の志士・坂本竜馬も、次のように言いました。

「人は、義で動くのではない。利で動くのだ」

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