ここから本編が始まります。キレートレモンの用意はお済みですか?無条件に認める真価
真価を認めるには、無条件で認める方法と、条件つきで認める方法の2通りがあります。
無条件で認める方法とは、出来ようが出来まいが、真価そのものを認めること。これを、アンコンディショナル(unconditional:無条件の)ストロークといいます。
絵が上手な人がいたら、絵画展に入賞しようと、しまいと、「上手ですね」と褒める。
子供が0点をとってきても、「0点でも良いじゃないか。試験を受けたから、0点であることが分ったんだ。次は1点でも多く取ろう」と励ます。
大きな商談を契約できない営業マンがいても、一生懸命にやっているなら、「よく頑張っているな」と声をかける。
歌がうまかったら、「きれいな歌声だね。もっと聴かせて」と褒める。
字や書が美しいかったら、「美しい字だなあ」と褒める。
足が速かったら、「足が速いぞ。それが持ち味かも」と褒める。
もちろん、
「どうして、結果の出ない者を、認められようか?」
という反論もあるでしょう。いつまで経っても結果が出ないのに「それでもいい」と認めてばかりいては、現状に甘んじるか、図に乗るか、逆に重荷になってしまう危険性もある。
しかし、結果が出ないのは、結果を出せない本人だけの問題でしょうか?結果の出ないことをやらせ続けている立場(親・教師・上司・指導者など)にも問題があるのと違います?
結果を出せないのは、本人だけの責任ではなく、監督する立場の責任でもあります。それを棚に上げて「結果の出ないものは認められない」と糾弾するのは、指導者自らの無能を暴露しているようなもの。
糾弾は、指導者にとって、諸刃の剣なんですよ。それでも人を責めますか?
あなたの真価を見つける方法
できないのなら、できるように導くのが当たり前。と思ったら大間違いなんですよ?「できない人は永遠にできない」ということだってあるんです。
その場合は、別の道に真価を求め、探し出すのも指導者の務め。
著名人を例にとると、凶悪な暴走族を率いて警察の厄介になり、親から「お前を殺してワシも死ぬ」と包丁を突きつけられた悪ガキが、得意の格闘技を活かし、大相撲へ進み、大関まで昇進した人(千代大海)もいます。
プロ野球の投手としてはヒーローになれなかったけれど、プロレスでは一時代を築いた人(ジャイアント馬場)もいます。ゴルフのジャンボ尾崎も、最初はプロ野球の投手でした。ホームランバッターの王選手も、投手からの転向でした。
営業職では結果を出せなかったけれど、デザイナーへ転向したとたん、営業しなくても仕事が舞い込むようになった若者だっています。当社の社員でした。
今の道がダメだからといって、人間性の全てが否定されるものではありません。他に向いている道が必ずあります。それは、絶対本質である真値を見つけることで開ける道であり、本人と指導者が一緒になって探す道です。
自分の真価が分らない人もおりましょう。そのときは、目を閉じて、子供の頃を思い出してみて下さい。何度も何度も、時間をかけて、じっくり思い出すと宜しい。
真価は、子供のころに片鱗を見せているはずです。好きで打ち込んでいたことや、夢想していたことがあったはず。その瞬間を思い出したとき、真価の糸口が見つかります。
もう一つは、親の軌跡を観察すること。親が得意だったことや、好きだったこと、打ち込んでいたことは、子供にも引き継がれます。
子である本人は気づかなかったり、かえって意図的に背(そむ)くこともありますが、遺伝子は正直者です。蛙の子は蛙に育つように出来ているようです。
条件つきで認める真価
一方の条件つきとは、「~できたら認める」という、目標をクリアした場合に認めること。これを、コンディショナル(conditional:条件付きの)ストロークといいます。
たとえば、絵が上手な人がいたとしましょう。ただし、絵が上手なだけでは認めず、その絵が受賞したとき初めて、「さすが」と認めることが、コンディショナル・ストロークです。
条件つきのストロークは、表彰という形で社会に溶け込んでいますよね。国民栄誉賞に警視総監賞。コンクールや試合では金・銀・銅賞。ビジネスでは、社長賞に報奨金。幼稚園では、よくできましたの花丸二十丸。
目標をクリアした場合に認めるわけですから、子供が100点を取ったら「えらいね」と褒める。その時、条件を出した側(この場合は100点を取るように指示した親)も一緒になって、喜びを分かち合わなければなりません。
なぜなら、条件付きということは、逆に考えると、認められる条件へ達しない限り(100点を取らない限り)、永遠に認められ無いということです。100点をとれない子は、100点を取れない人間である烙印を、自分に捺してしまう危険性がある。
それに、条件に達したときに褒めるのは、目に見える結果を認めることですから、誰にでも出来ます。誰にでも出来るだけに、条件に達してもストロークが発せられないと、ストロークを受け取る側は「どうして褒めてもらえないんだろう?」と不満に思ってしまいます。
条件付きでストロークするときは、そうした事々に注意して下さい。
とはいえ、もちろん、実績を認める条件つきのストロークは大切ですし、条件に達したときに味わう達成感は、次の成長への確固たる足がかりになります。
それよりも大切なのは、無条件に認めるストローク。
さあ、どんどん無条件にストロークしましょう。認めるところが見つからなかったら、食いっぷりでも飲みっぷりでも「いい食いっぷりだねえ」「マナーの良い食べ方だね」と認めてあげれば良いのです。人は誰しも食事するのですから。
