好き嫌いが合わない人、言葉づかいが荒い人、立ち振る舞いが醜い人、趣味が合わない人、服装や装飾のセンスが異なる人、会話が噛み合わない人……
価値観が異なる人はゴロゴロいます。当たり前ですよね、価値観が完全に同じ人間は自分しかいませんから(笑)
では、価値観の異なる人に遭遇して戸惑ったとき、どのように対処すればよいでしょう?
答えはカンタン、腹の中で「田舎者」だと思うことです。
攻撃的に無視するなら「あいつは田舎者だから」と、顔で笑って、無視。
防衛的に無視するなら「わたしは田舎者だから」と、顔で笑って、無視。
つまり、お互いの価値観の違いによる意見の相違や衝突を「田舎者だから仕方
ない」の一言で片付けてしまい、あとに引きずらないようにすること。
それには「田舎者」でバッサリ切り捨てるのが一番なんです。
田舎者というと、田舎言葉、田舎侍、田舎紳士、田舎学問のような、悪い意味に使われがち。
実際、田舎という言葉の語源は(万葉集にあるように)平安貴族にとって重要都市だった平安京に対して、重要ではない(平安京以外の)田のある舎を指し、差別の対象とした歴史に基づいています。京都らしい(排他的というか)悪意に満ちた貴族用語だったんですね。
また、大辞泉によると、田舎者とは、
- 田舎の人。田舎育ちの人。
- 不作法な人、やぼな人をののしっていう語。自らをへりくだっていう語。
とあります。現在の正しい日本語としては、そういう意味になるのでしょう。
しかし、いまを遡ること約150年前、明治維新で、江戸から東京府へ名前が変わった江戸っ子は、田舎者を別の意味に使っていました。「田舎から出てきたばかりで、東京(江戸)の文化がわからない人」
「東京人とは価値観が異なる人」
「価値観が異なるのだから、ものの見方や考え方が異なるのは仕方ない」
という「あきらめ」や「ゆるす」意味で、上京してきた地方出身者を「田舎者」と呼び、納得していたのでした。
これが以来150年間、東京生まれの東京育ちに見受けられる人間関係の絶妙な「付かず離れず」の距離を保つ秘訣となって今に引き継がれています。