痴漢の冤罪は目の前にあるんだなって骨身に沁みてわかります

著者のエッセイ

クルマが主な移動手段の地域では信じられないかも知れませんが、混んでいる電車には、痴漢が絶対います。
痴漢したことはありませんが(当り前ですケド)、痴漢がらみのパプニングに遭遇したことは、何度か、あります。

あれは、帰宅ラッシュ時の小田急線に乗っていた時のこと。
私の斜め前に、サラリーマン風の男性が、向こうをむいて、立っていました。
顔は見えません。私には、男性の後頭部が見えている恰好です。
その向こうに、若い女性が、こちらを向いて、立っていました。
男性を挟んで、私と女性が向き合っている恰好ですから、女性の顔が、目の前にあります。
その女性が、突然、本当に突然、怒気を含んだ重低音で、
「ケツ触って面白ぇか?」
と吐き捨てました。
ちょうど、私へ言っているような恰好です。そりゃあビックリしましたよ!
辺りの乗客も
「何だ?」
「痴漢か?」
「何が起こった?」
とキョトキョトして、ざわついた雰囲気の電車内。
言わずもがな、私と、女性の間に立って、向こうを向いていた男性が、痴漢だったようで、おそらく、痴漢の手首をつかむか何かして、誰が犯人か?女性は確信し、あのように言い放ったのでしょう。
男性へ視線を向けて(両目を右へ寄せて)女性いわく、
「次の駅で降りろよ。駅員に引き渡してやる」
そして、次の駅(下北沢だったかなあ)に着くやいなや、電車のドアが開くと同時に、人混みをかき分けて、急いで降りようとする(逃げようとする?)男性を追うように、女性も降りて行きました。
こういう体験すると、痴漢冤罪って、すぐ目の前にあるんだな~って、骨身に沁みて、わかりますよ。以来、数十年間、電車が

  • 満員で
  • 独りきりで
  • 立っている時

は、手ぶらにならないよう気をつけています。自己防衛、そして、危機管理として。

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