出張先の宿でテレビを見るシリーズの二回目「天気予報」

著者のエッセイ


客地にいることを実感できるのが、テレビの天気予報。
「ああ、いま、自分は(たとえば)広島にいるんだなあ」
と、地図を見て、改めて気づきます。

その広島県の天気予報でしたら、広域図(中国五県+愛媛県、香川県、福岡県)の次に、北部と南部、あるいは、庄原、広島、呉、福山の県内が映ります。
気象庁による区分なんでしょうね、たぶん。
東海地方でしたら、尾鷲、津、岐阜、名古屋、豊橋、高山のような感じ。
首都圏でしたら、一都三県の次に、各都県ごとの天気が映ります。
番組によっては、さらに広域に、群馬、栃木、茨城を含めた北関東や、関東甲信越(山梨、長野、新潟)までを範囲にすることがあります。
東京に集散する物流(交通)に影響するからでしょうね、天気が。
東北は広いので、ひとくちに、東北地方で括られることはありません。九州も、そうですよね。
たとえば、東北の福島県でしたら、東北南部から北関東が広域図になり、次に、浜通り、中通り、会津の三地域。あるいは、福島、郡山、白河、会津若松、相馬、いわき、小名浜の天気予報になります。
こうしてみると、日本って、東日本は南北に、西日本は東西に、長いんだな~、かくも気候風土が異なれば、お国柄が残って当然だな~と、肌で感じられます。
短くいえば、幕藩体制の頃から、日本の人文は、何も変わっちゃいないんですよね。
道理で、郷土料理、方言、特産品、土産物が豊富に受け継がれてきたハズにもかかわらず、独立戦争のような革命や、分断が起きなかった国民・民族は世界的に見ても珍しいんじゃないかなと、天気予報を眺めつつ、思ったりして。

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