
そこいくと私は、心理学者でもカンセラーでもありませんので、心理学としてのストローク理論について詳しくありません。実際、かの有名なフロイトを心理学者だと思い違えていましたし、分析心理学の祖であるユングのファーストネームすら知りません。
なので、ストローク理論を含む交流分析の専門書を期待なさっているとしたら、正しい専門の良書が他に沢山ありますので、そちらを御覧になるようお勧めします。
心理学のプロではありませんが、私は、製品やサービスを通して人を(お客さんを、取引先を、従業員を)動かす技術としてのマーケティング論を唱えており、その理論を説いた拙著は韓国でも出版されていますが、マーケティングで人を動かすには限界がありました。日本や韓国などの成熟社会には、マーケティングでは解決できない、マーケティング以前の問題があったのです。
その多くは、精神論として片付けられており、うまくいく人は「日ごろの行いが違う」と称えられ、何をやっても失敗する人は「根性がない」と罵(ののし)られ、じつに曖昧に処理されてきました。
ところが実は、精神論でも運命論でもありませんでした。うまくいかない人は、マーケティング云々の前に、自分と他人を肯定する言動をおこさなければ、いつまで経ってもうまくいかないようになっていたのです。それが、マーケティング以前の問題を探究している最中に出会った「ストロークの法則」でした。
試しに、周りを見渡して御覧なさい?
うまくいかない人は「どうせダメだ」とハナから諦めてしまい、いつの間にか自分へ「どうせダメな人間なんだ」と、マイナスのストロークを送ってませんか?
はて?自分を否定して、どうして幸せになれましょう。マイナスのストロークを唱える人に、幸せは訪れないようになっているのです。
では、どうしたら良いのでしょうか?もちろん、まずは自分を変えることです。しかし、どうやって?怪しい宗教に入信する?啓蒙セミナーに参加する?霊能者に相談する?
そんな必要はありません。誰でも、いつでも、どこでも、一円もかけず、簡単に自分を変えられる方法が一つだけあります。それが、プラスのストロークです。
たとえば、男女の交際は、好きな異性へ「好き」と告白することから始まりますね?この告白がプラスのストロークです。
プラスのストロークは、好きな人と交際できる幸せを運んできてくれます。逆に、プラスのストロークを唱えないと、幸せはやってきません。どちらかが先に告白しなければ、いつまで経っても交際は始まりませんね?
告白して、たとえ「ごめん」と断られることはあっても、よっぽど性悪な相手でもない限り、「好きじゃない。むしろ、嫌い」というマイナスのストロークが返って来ることはない。仮に、そういう目に遭ったら、性悪な性格を見抜けずに好きになった、自分の人物眼を改めちゃいましょう。
プラスのストロークは、ビジネスにも当てはまります。よく、
「雄弁な営業マンが、優秀であるとは限らない。営業マンは、むしろ、寡黙であれ」
と言われるのは、「しゃべるな」ということではありません。しゃべるより先に「相手の話を聴け」ということです。聴くのもプラスのストローク。
なぜなら、相手の話に耳を傾ける行為自体が、相手の主張を認める態度になっているので、相手は、口にこそ出さないまでも、
「話を聴いてくれてサンキュー。今度は、そちらの主張も聞こう」
となって、交渉が上手く行くわけです。
夫婦間や親子間も然り。
話を聞く行為が、相手を認める行為になるため、とりたてて伴侶と会話しなくとも、時どき相槌を打ちながら、相手の話に耳を傾けるだけで、夫婦関係は上手くいきます。子供の話に耳を傾けるだけで、子供は「認められている」と納得します。相手を認めるプラスのストロークが「愛情を注ぐ」具体的な方法の一つなのです。
人体の維持に衣食住が必要不可欠であるように、人間性の維持には、自他から認められるプラスのストロークが必要不可欠なのですよ。
驚くほど簡単に実現できる合法的な試みプラスのストローク
プラスのストロークは、仕事や家庭のみならず、福祉や行政、学校教育、隣人との関係にも通じます。ストロークの法則は、いかなる場面にも通用する万能法則です。
なので、本書は、読む人によっては恋愛指南書に、あるいは実用書に、もしくは教育書に、はたまたビジネス書に、さらには人文書になることでしょう。決して、難しい心理学やマーケティングの書ではありません。
本書には、マーケティング論とストローク論が融合することによって出来た、マーケティングにも心理学にも存在しない造語が含まれていますので、カウンセリングに携わるスペシャリストや心理学者向けというよりも、ひとりで無人島には生きられない普通の社会人に向いています。
本書を読み終わったとき、あなたの気持ちは安らいでいることでしょう。そして、立ち上がろうとする勇気が湧いているはずです。
立ち上がって、前へ進むとき、あなたの足元を本書が明るく照らすことでしょう。そして、驚くほど簡単に、あなたは幸運への階段を駆け登り始めます。
そうやって、まずは、あなたが幸せになること。そして、周囲へ幸せを振りまくこと。
自分を認め、他人から認められること。
それを実現するおまじないの唱え方が、プラスのストロークです。
さあ、ご一緒に、幸せ探しの旅へ出かけましょう!