動き方を教えて人を動かす
ダイレクトメールの末尾にありがちですよね?「今すぐお電話を! 03-1234-5678」
とか、
雑誌や新聞などの広告にも、
「同封のハガキを ポストに投函するだけ!」
とか、
「ホームページからお申し込み頂くだけで10%OFF」
というように、
あなたの行動を促す一文が書いてある広告を一度は見かけたことがあるでしょう。
どうして、末尾に、
「このように動いて下さい」
と書いてあるか、タネを明かすと…
動き方(アクション)を教えて、申し込ませるため
です。なぜなら、
- 人は、どう動けば(アクションすれば)良いか、積極的には考えません
- 広告を読んでいる最中に高まった「買う気」が、薄れないうちに申し込ます
- どうすれば買えるか、最後の最後に印象づけます
これを、マーケティングでは、行動指示(action-directive:アクション・ディレクティブ)とか、行動喚起(action-call:アクション・コール)といいます。
あなたが思っている以上に、人は、考えるのが意外と苦手です。
「そこまで教えなきゃダメなの?」
というシーンが、日常にゴロゴロ転がっていますでしょう?
たとえば、掃除。あなたが、
「掃除してくれる?」
と誰かへ頼んだとしましょう。相手は、二つ返事で引き受けてくれた。
それから一時間。
どうやら掃除が終わったらしい。
「どれどれ、キレイになったかな?」
と、あなたが確認してみると、まだ掃除していないまんま。
問いただす、あなた。
「ちゃんと掃除したの?」
「したよ」
「キレイになってないじゃん」
「キレイになってるよ」
「ふき掃除した?」
「はあ?ふき掃除?大晦日の大掃除にやりゃイーじゃん」
そこであなたは一言。
「これで掃除が終ったなんて、信じらんなーい……」
「だって、どこに雑巾があるのか知らねーし」
「雑巾の場所からして教えろって言うの?」
アクションを教えると動きやすくなる |
そもそも、どこまでの作業を掃除というか、細やかさや完了のレベルがお互いに異なるんですもの、
「掃除してちょうだい」
の一言で、あなたが望む到達点しますか?
ふき掃除して欲しかったら、
「ふき掃除もネ」
と言わなきゃならんのと違います?
「ここに雑巾がある」
と教えなきゃなりませんよね?あなたは知っていても、相手は知りませんから。
しかし、あなたは、
「雑巾を出してきて、ふき掃除するのが、当たり前」
だと思っている。
ところが相手は、当たり前だとは思っていません。そんなもんなんです。
もしかしたら、ふき方(アクション)さえ教えてあげる必要があるかも。
つまり、
あなたの常識が、他人の常識たり得る確証は無い
のです。よく「日本の常識は世界の非常識」
と言われる通り、あなたの常識は他人の非常識であるケースが往々にしてあります。
「えー!信じらんな~い」
と、他人の常識があなたの非常識といっていいほど、かけ離れていることが多々あります。
自分にとっての常識だから、他人にとっても常識だ
と思ってしまう。あなたが「これは常識」と思う常識は、あなたが常識だと思っているだけに過ぎず、必ずしも万人の常識ではありませんよね?どんな些細なことであっても、
- そんなの教えるまでも無い
- 誰でも知っている
- 当たり前な話
あなたの価値観や、経験則から導き出された常識
であって、他の人にとっては、意外どころか、知ってビックリ!驚きの新事実かも知れません。その逆も然りで、他の人にとって当たり前な話であっても、あなたにとっては、目から鱗かも知れません。なので、
「そこまで教えなくとも良いだろう」
と思われることであっても、
「ほら、こうするんだよ?」
と、わざわざ動き方(アクション)を教えてみて下さい。
曖昧になりがちな、指示を的確にストロークすることで、他人は動きやすくなります。