と、アドラー心理学(個人心理学)で教えているという誤解が広まっている様子ですので、僭越ながら、補足しますと、「ほめられ慣れると、ほめられなければ、やらなくなるから、ほめるな」ではなく、
ほめる(相手の気分をよくする)よりも勇気づけろ
でしょう。「ほめる」という、受け取る人によっては上から目線に感じるメッセージではなくありがとう
という共同体感覚です。共同体感覚は、アドラー教授の基本思想ですので。余談ですが、アドラー心理学をテーマにしたベストセラー『嫌われる勇気』がフジテレビでドラマ化された際、日本アドラー心理学会は、
「ドラマのアドラー心理学理解は、日本及び世界のアドラー心理学における一般的な理解とはかなり異なっている」
と、放送の中止か、脚本の見直しを求める抗議文を、フジテレビへ送りました。
http://adler.cside.ne.jp/common/pdf/fuji_tv.pdf
対するフジテレビのコメントは、
「放送中止は考えていませんが、日本アドラー心理学会からいただいたご意見も、今後のドラマ制作に生かして参ります」
と、手慣れたもの。フジテレビの制作態度について「海猿」や「ブラックジャックによろしく」等で有名な漫画家の佐藤さんが、著作権を放棄するほど猛抗議していましたので、察するに余りあるとしても、
https://note.mu/shuho_sato/n/nffb1dafcdc24
作者と読者の間に、いろんな人数が介在すればするほど、著者の意図が読者サイドへ届きにくくなります。
- 作者は、素材で
- メディア(テレビ局や出版社などの制作)は、料理人で
- お客様は、読者や視聴者
- メディアに売ってもらったクセに、思い上がるな
- 海猿は、ファンのものであって、お前(作者)のものじゃない
「こちとら、料理に、カネ払ったんだ。好きに言わせてもらう」
と言っているのも同然では?
もしも、本件の正解を、僭越ながら筆者が、アドラー心理学で導くとすれば、作者と視聴者は仲間どうし、味方どうし(アドラー教授の基本思想である共同体感覚)ですので、けなすのではなく、作者の佐藤さんを勇気づけるのが正解のような気がします。